ブラック企業体験記 福岡編その4
ある日、本社の名簿を見るとそこには・・・
知っている人の名前が約半分にまで減っていました。
当時業界最大手だった企業が倒産し、そこから流入してきた人もたくさんいて、知らない名前もたくさん増えていました。
人が入ってくるから切ったというわけではなさそうですが、それにしてもたかだか3,4か月の間に半数もの人が辞めるとは・・・
この時、本社にいた頃よく2人で飲みに行っていた同期が退職すると聞き連絡を取りました。
特に次の就職先も決まっていないとのことでしたが、彼は言いました。
「これから先どうなるかわからないけど、この会社にもう来なくていいと考えるとすごく晴々とした気持ちになる」
とのこと。それめっちゃわかる。本当に今すぐこの牢獄から解放されたい。とぼくも心から思うようになりました。
でもまだ就職して1年目。それは逃げじゃないのか。自分が弱いだけなんじゃないのか。本当にそれでいいのかと悩む日々。
でも心は間違いなく悲鳴をあげています。
そんなある日、所長に呼び出されました。
「そのうち、〇〇こともう切るから。担当はお前が引き継いで」
つまりぼくが福岡に来る前からいた営業メンバー2人のうち1人をリストラするとのことでした。
この方は年齢は60歳前。少し要領の悪いところはありましたが、真面目で営業成績は全国的に見ても決して悪くはありませんでした。
九州男児らしく頑固なところもあり、よく所長から罵声を浴びせられていました。
ぼくはこれを聞いたとき「人を何だと思っているんだろう。この会社にはこれ以上いてはいけないかもしれない」と改めて真剣に考えるようになりました。
そしてそんな悶々としたある日。ぼくの意思を決める決定的な出来事が起こりました。
つづく
今日も素晴らしい1日を。
たきまなぶでした。