類は友を呼ぶ?
・ご指名いただきありがとうございます。
パートを開始し、ぼくの仕事は展示品の家具の設置や家具の梱包、販売がメインの仕事でした。
ブラック企業上がりのぼくにとってはこのホワイトな環境の仕事はどれも楽しく、やりがいをもって取り組むことができました。
アレクサンドル・デュマの小説「モンテ・クリスト伯」の最終版の一節に「きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです」とあります。
ブラック企業を経験すると、普通の環境をホワイトに、ホワイトな環境を超ホワイトに感じることができるという特殊能力が身に付きます 笑
店長、副店長からもありがたくも高く評価していただき、それが嬉しくてまた頑張るという好循環が生まれました。
そんな時、子供の学習机を探しに来たお客様を接客し、自分なりに丁寧にご案内させていただきました。
その日は購入されなかったのですが、後日またご来店され、「接客がすごくよかった」と褒めていただき、ご指名をいただき、ご購入していただくことができました。
とても嬉しかったことを今も覚えています。
数か月前まで部屋の窓から外を眺めながら、ただ人生に絶望していた自分が、人から必要としてもらえる時がくるなんて夢にも思いませんでした。
・意外な人から意外な出来事
新しい仕事にも慣れはじめてきたころ、同年代の女性社員が仕事を休みがちになりました。
特別親しかったわけではなかったのですが、妙に気になります。
情報を集めてみると、どうやら精神的にまいってしまい、出勤ができなくなっている様子。
この方は社交的で明るく、言いたいこともはっきり言うタイプの方で、一見うつとは程遠い感じの方だったのでとても驚きました。
ぼくの経験が何か役に立てるかもしれない。思い、他の社員の方にぼくの連絡先を伝え、自分もうつを経験しているので、何かあれば連絡をほしいとの旨を伝えてほしいと頼みました。
そして1週間ほどたったある日、その女性社員の方から連絡がありました。
・出勤したくてもできない病
話を聞いてみると、人間関係や仕事の繁忙期等、色々重なって自分で抱え込んでいたらいつの間にか会社に行きたくても行けなくなったとのこと。
半年前全く同じ経験をしたため、他人事とは思えませんでした。
「いつでも待ってるので今はゆっくり休んでください。今までたくさん頑張ってきたんだから」
とお伝えし、その女性社員の方は休職し、とりあえず実家に戻ることになりました。
・実は身近にも多かったうつの人
この頃ちょうど、周りの友人たちにもうつ病の人が出てくるようになりました。
正確に言うと出てきたというより、今まで誰にも言えなかったようです。
また、周囲の方々からうつで仕事を辞め、悩んでいる人がいるから1度会ってみてほしいというご依頼もちらほらいただくようになりました。
そういった方たちと接し少しでも希望を感じてもらえるようになることがとても嬉しかったことを覚えています。
この時ぼくは「将来は心の病で苦しむ人たちを支援していこう」と思うようになり、かつての絶望が夢へと変わっていきました。
つづく
今日も素敵な1日を。
たきまなぶでした。