香港チャレンジ回想録㉛ バトル勃発
おはようございます!たきまなぶです。
前回は現役大学生が香港インターンシッププログラムに参加し、ひたむきな姿に感動したお話しをさせていただきました。
今回はついにまたやってきた2人のオーナーたちとのバトルエピソードをお話しさせていただきたいと思います。
・固定費が払えない
社長となり、3か月が経過。この頃は日々がむしゃらに奔走していました。
しかしなかなかちゃんとした売上を立てることができませんでした。しかし当然オフィスの賃料や光熱費等、月々の固定費は発生します。
自分が負担できる分は自己負担をしていましたが、ぼくの当時の給与ではとても補いきれず、補えない分はオーナーたちに負担をしてもらっていました(ぼくが社長になる前から元々オーナーたちが支払っていた)
相方のFさんはテレアポ業務がフルコミッションとなったのをきっかけに、テレアポに割く時間を減らして飲食店でアルバイトを開始。
ぼくも新規事業に奔走していたため、テレアポはほとんど行っていませんでした。
ですがぼくたちにとって速効性のある売上をつくるには、すでにビジネスモデルが確立されている日本へのテレアポを行うことでした。
ぼくたちは「今ここでしかできないことをしたい」と強く考えていたため、それでもテレアポはほとんど行いませんでした。
・給与がもらえず
しかしある日、諸経費の請求額を報告し振込を依頼したところ、Bオーナーから「払えない」という旨のメールが返ってきました。
振込がされないため、とりあえずぼくの貯金を切り崩して支払いました。
オーナーたちからしてみれば、売上も出さず、テレアポもせずなにをしているのかもよくわからないぼくに何かしらの対策を取るのは当然なのかもしれません(1日の業務報告は毎日行ってはいましたが)
・極貧生活スタート
こうしてぼくは事務所の経費の支払いに貯金も使い果たし、極貧生活がスタートしました。住まいの家賃の支払いは何とかお願いして後払いにしてもらいました。
食事はどうしようかと考えながら近所のスーパーを物色していると、5玉で約120円という激安うどんを発見!
これしかない!と思いそこから毎日うどん生活がスタートしました。
余談ですが、このうどん生活中に1度コンロが壊れて使えなくなり、思案に思案を重ねた結果、炊飯ジャーでうどんをつくるという技法を編み出しました。
人間追い詰められると智恵が出るものだとこのとき学びました。
・激詰めにあう
交渉に交渉を重ねた結果、なんとか固定費分を振り込んでもらうことができましたが、こんなやり取りが月末近くになると毎月必ず行われていました。
そんな折、Aオーナーから1度話そうということで電話があり話していると「どうやって売上を立てるのか」「まだインターンの頃のお客様気分が抜けてないんだろう」という趣旨の内容で激詰めにあいました。
要するに「テレアポをしてすぐに売上をつくれ」という話でした。
この時ぼくはとても悩みました。「やりたくないことを無理やりやってまでここに留まる理由はないんじゃないか」と。
今のぼくなら3秒で離脱する内容ですが、当時は「ここで辞めたら逃げることになるんじゃないか?仮にもぼくは社長だぞ」と考えていました。
・疑念は深まる
ここでの中で以前からずっと考えていた疑念がさらに強くなりました。
おそらくこの香港インターンシッププログラムはそもそもオーナーたちの税金対策の延長上につくられたものではないかというもの。
本人たちに直接聞いたわけではないので証拠はありませんが。
税金に関する細かい話はここではしませんが、香港の法人税率は日本よりずっと低いです。
ただ香港に法人をつくるだけでなく実態があるように見せ、しかも損失がでないように「香港でビジネスを学びながら働くことができる」というキレイな謳い文句で自分たちが日本で行っている事業をインターンで来た人たちに行わせているのではないのかと。
しかもぼくを社長にしたのは香港でかかっている固定費をぼくに支払わせるためのものだったのではないかとの疑念も生まれました。
その疑念が生まれる1つのきっかけとして、今後の固定費をぼくが払えない場合、オーナーたちからの「借入金」で支払うという方向性が提示されました。
少なくとも、ここ数か月間のお金に関するやり取りの中で、ぼくたちの事業やぼくたちの成長は全く考えられていないというのは痛感しました。
こうしてこの頃からぼくの中でついに「去り時」を意識するようになりました。
・善悪について考える
そしてこの時ぼくはBオーナーと色々やり取りをする中で、人間の善悪について考えるようになりました。
以前香港チャレンジ回想録⑥ オーナーと対峙の中で、このBオーナーとの出会いから人間の善悪を考えるきっかけになったとお話しをさせていただきましたが、それがまさにこの時からでした。
このBオーナーは大学生の頃企業し、20代前半で経営者として成功。その後もその手腕で活躍を続け、現在ではある上場企業の代表を務めています。
人当たりもとてもいい方で、ぼくも「困ったことがあればこの人に相談すれば大丈夫」とずっと思っていました。
しかし実際にお金が絡んだやり取りをしてみるととてもシビアで、ぼくは生活が困窮するレベルまで追い詰められました。
結局人よりもビジネスが優先なのかと。
ぼくは自分の考えが正しくて、Bオーナーの考えが間違っているということは一切思っていません。
むしろ経営者としては妥当な対応だったのかもしれません。
しかしぼくはここで、人をある意味表面だけで判断してしまっていた部分があると大いに反省しました。
表面は人当たりがよくて人格者のように振る舞い、実際は自分の利益が最優先の人もいるのだと。
そして肩書や年収といった表面的なものではなく、本質で人を見れるようになりたいとこの頃から痛烈に思うようになりました。
・今日のまなぶ
シンプルに「ついていく人を間違えない」ということです。経営者として実績があるとか、お金持ちだとか、そういう表面的なことで判断せず、自分がついていく人は「人格」をみて自分の頭でしっかり考えて判断をしましょう。
余談ですが、ぼくは社長になるとき2人のオーナーから「絶対儲けられるようになるよ」と言われました。この「絶対儲かる」というワードは宇宙一信用できない言葉なのでこれを言ってくる人が周りにいたら秒で離れましょう 笑
今日も素敵な1日を。
たきまなぶでした。