【LP制作と広告運用の失敗談】お客様の50万円を溶かした話。失敗から学んだ「設計」の重要性

「LPを作って広告を回せば、ある程度は問い合わせが来る」
正直に言うと、以前の私は本気でそう思っていました。
見た目の整ったLPを用意して、広告でアクセスを流せば、一定数は反応が出ると。
これはWeb制作やマーケティングに関わっている人が陥りやすい罠なのかもしれません。
しかし、実際に私が支援した案件で、合計50万円を投資して、問い合わせがほぼゼロだったという失敗があります。
今日はその話を正直に書きます。
LPや広告の話はたくさんありますが、「順番を間違えた失敗談」は意外と語られません。
だからこそ、実体験ベースで残しておこうと思いました。
ご依頼の背景と内容
今回の案件は、法人向けの専門サービスを提供している企業様からのご依頼でした。
商材は無形サービスで、一定の単価帯があり、対象は企業の経営層や管理職クラス。
「これまで紹介中心でやってきたが、新規開拓を強化したい」
「Webから安定的にリードを獲得したい」
そういったご相談からスタートしました。
そこで私は、
- 専用LPの制作
- リスティング広告の出稿
- 問い合わせ獲得の導線設計
を一式で担当することになりました。
戦略から設計、制作、広告運用まで、すべて私が手がけた案件です。
正直、うまくいくと思っていました。
なぜなら、商材自体は強みがあり、お客様の実績も十分にあったからです。
しかし、結果は想像とは大きく異なりました。

LPと広告費にかけた50万円の内訳と結果
まず数字から共有します。
投資額
- LP制作:20万円
- 広告費:10万円 × 3ヶ月
- 合計:約50万円
結果
- アクセス:数千セッション
- ヒートマップ:下まで真っ赤(=読まれている)
- 問い合わせ:0〜1件/月
- CPA:成立せず(完全赤字)

広告はクリックされ、LPも見られている。それでも問い合わせがない。
「ここまで読まれているのに、なぜ申し込みが出ないのか?」
ヒートマップを見るたびに首をかしげていました。
当時の私は、典型的な失敗パターンを全部やっていた
振り返ると、今なら「それは失敗するよね」と分かることばかりです。
当時やっていたことは、こんな内容でした。
- 見た目の良いLPを制作
- とりあえず広告出稿
- とりあえずアクセスを集める
- デザインと構成はしっかり作ったつもり
- でも戦略設計は浅い
いわゆる「作って、流して、祈る」マーケティングです。
多くの企業がやってしまいがちなこのパターン。
これがこのときの私の最大の失敗でした。
問題はLPではなく設計だった
当時の私は、本気で「LPの改善が必要だ」と思っていました。
「ボタンの色が悪いのかもしれない。」
「ファーストビューが弱いのかもしれない。」
「構成を変えればCVが上がるかもしれない。」
いわゆるLP改善あるあるです。
でも今振り返ると、完全にズレていました。
問題はLPの表面的な問題ではなく、もっと手前。そもそもの設計が間違っていました。
① 誰に売るかが曖昧だった
一応ターゲット設定はしていました。
「法人向け」
「中小企業向け」
「課題を抱えている企業様」
でも実際これでは、訴求をしているようで何も言っていません。
例えば、
- 年商いくらの会社なのか
- 意思決定者は誰なのか
- どんな課題で悩んでいるのか
- 今どんな代替手段を使っているのか
この「誰に届けるのか」が曖昧になっていました。
当然ですが、ターゲットがぼやけるとコピーも構成も全部ぼやけます。
結果、「見た目はきれいだけど誰にも刺さらないLP」が完成しました。
アクセスはり、読まれてもいる。
でも自分のためのサービスだと思われない。
これでは問い合わせは生まれません。
② オファーが弱かった
LPのCTAは一応用意していました。
「お問い合わせはこちら」
「資料請求はこちら」
いわゆる、よくある構成です。
当時は「複数の導線があれば大丈夫だろう」と思っていました。
でも今振り返ると、問題は数ではありませんでした。文脈がなかったんです。
まだ信頼関係がない状態で、
- とりあえず問い合わせ
- とりあえず資料請求
- とりあえず検討
これは正直、かなりハードルが高い。特にBtoBの場合、意思決定は慎重です。
「なぜ今資料を取るべきなのか」
「この会社は信頼できるのか」
「自社に関係ある話なのか」
この問いに答えられていない状態では、どんなCTAを置いても反応はなかなか出ません。
当時のLPは、ここが決定的に弱かった。
例えば、
- なぜ今この課題に向き合うべきなのか
- 放置するとどうなるのか
- どんな企業が導入しているのか
- 読み手はどの段階にいるのか
こういったストーリーの流れがありませんでした。
その結果、
「資料請求できます」
「お問い合わせできます」
という機能としての導線だけが残った。
でも、オファーは機能ではなく、文脈の中で成立するものです。
どれだけ立派なホワイトペーパーを用意しても、その価値が伝わる流れがなければ動きません。
逆に言えば、オファーの種類そのものよりも、
どんなストーリーの中で提示するか
ここが圧倒的に重要でした。
当時の私は、「何を置くか」は考えていましたが、「どう届けるか」をほとんど設計していなかったんです。完全に、売り手目線でした。
③ いきなり売ろうとしていた
これが構造的に一番のミスでした。
本来、BtoBの意思決定には段階があります。
認知 → 興味 → 信頼 → 比較 → 検討 → 相談
特に無形商材は、このプロセスが長い。でも当時の私は、そのプロセスを全部飛ばしました。
やったことはシンプルです。
「LPを作る → 広告を流す → 申し込みを待つ」
いきなりクロージングです。
まだ信頼もない状態で、いきなり契約を求める。
冷静に考えれば、かなり無理があります。
BtoBマーケティングなのに、衝動買いモデルで設計してしまっていました。
④ クライアントの言語化を詰め切れなかった(最大の反省)
そして一番の反省はここです。
もちろん事前にクライアントにヒアリングはしていました。
- 強みは何か
- 他者との違いは何か
- どんなお客様が多いか
- なぜ選ばれているのか
一通りは聞いています。
でも、1つ1つの項目に対する深掘りが足りていませんでした。
例えば、
「それはなぜですか?」
「他社と決定的に違う点は?」
「お客様から一番感謝された事例は?」
一つ一つをより深い次元まで踏み込めていなかった。
どこかで「まあこの方向でいけるだろう」と妥協してしまったんです。
でも本来ここは、プロが一番時間をかけるべき部分でした。
クライアントの言語化が浅いまま進めれば、その後の
- ターゲット設定
- コピー
- オファー
- 導線
全部がズレます。
つまり、この案件の失敗は戦術ではなく、上流の設計ミスでした。

もちろんこれはクライアント側の問題ではなく、設計を担った、私に全て責任があります。
この失敗から学んだ3つのこと
この50万円の失敗を経て、はっきり理解したことがあります。
当時の私は「LPと広告を整えれば成果が出る」と思っていました。
でも実際は逆で、LPと広告はしっかりとした設計の上にはじめて成り立つものでした。
① LPは戦術でしかない(上流がズレると、LPは基本売れない)
LPは「売るためのページ」ではありますが、売上を決めるのはLPの前にある設計です。
今回の失敗で痛感したのは、LP改善でよく語られる
- ファーストビューの見せ方
- ボタンの色
- セクション構成
- 実績の見せ方
こういった要素をいくら整えても、「誰のどんな悩みに、何を約束するのか」が曖昧だと、成果は出づらいということでした。
ヒートマップで下まで読まれていたのに申し込みが出なかったのは、「読める」けど「自分ごとにならない」状態だったからです。
言い換えると、LPは整っているかではなく、刺さる設計になっているか勝負です。
② 広告は魔法ではない(広告は原因ではなく拡大装置)
広告を出すと、アクセスは増えます。
でもそれは「売れるようになる」ではなく、単に「露出が増える」だけです。
今回の案件で起きたのはこれでした。
- 設計が弱い → CVが出ない
- 広告でアクセスを増やす → CVがさらに出ない現実が見える
- 結果、赤字だけが積み上がる
広告は成功を作る装置ではなく、現状を拡大して見せる装置だと学びました。
だから、広告を回す前に必ず確認すべきは
- そもそも提案(オファー)は魅力的か
- ターゲットは明確か
- CVまでの心理の流れは成立しているか
この3つです。
ここが弱い状態で広告を回すのは、穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるのと同じでした。
③ まず設計、制作は最後(順番を間違えると、50万円は簡単に溶ける)
この失敗の本質は「順番を間違えた」ことでした。
当時の私は
LPを作る → 広告を回す → 申し込みを待つ
という順番で進めました。
でもBtoBの無形商材のような高額商材は、そんなに単純に動きません。
意思決定までの心理プロセスが長いからです。
今なら順番はこうします。
- 戦略:誰に、どんな価値を、どんなポジションで売るかを決める
- 設計:オファー(入口)とストーリー(訴求の流れ)を作る
- 導線:LPだけで売らず、記事・資料・事例などで信頼を積む設計にする
- 信頼構築:比較検討される前提で、根拠・実績・具体例を用意する
- その後にLP・広告:テスト→改善→拡大の順で回す
逆順(制作→広告)にすると、ほぼ確実に
「なんとなく作るLP」
「なんとなく回す広告」
「なんとなく増える赤字」
になります。

今なら、同じ案件はこう設計します
もし今同じ案件をやるとしたら、手順はまったく違います。
- ペルソナの徹底言語化
- 強み・ポジション整理
- オファー設計(無料相談・資料など)
- コンテンツで信頼構築
- その後にLP+広告
いきなり売りません。
まず「知ってもらう → 信頼してもらう → 相談してもらう」。
この流れを必ず作ります。
大きく言えば、これだけです。でも、本質は手順そのものではありません。
先に考えるのは、「なぜ動くのか」です。
「なぜこの人は課題を感じるのか。」
「なぜこのタイミングで情報を探すのか。」
「なぜこの会社なら信頼できると思うのか。」
ここが見えていないまま作ったものは、どれだけLPのデザインや広告のコピーが整っていても機能しません。
まず理解してもらう。次に納得してもらう。その上で、信頼してもらう。
売るのは、その後です。
もし今、LPや広告がこんな状態なら要注意
ここまで読んでくださった方の中には、
「今のウチもなんとなく似た状態かもしれない」
そう感じた方もいるかもしれません。
LPはある。広告も出している。でも、反応がない。
そんなとき、多くの会社が施策を増やそうとします。
- デザインを変える
- コピーをいじる
- 広告予算を増やす
でも実際には、その一手前に原因があることが少なくありません。
足りないのは施策ではなく、設計なのかもしれません。
一度この「設計」を見直してみることで、反応が大きく変わる可能性は十分にあると思います。
まとめ
LPや広告は、成果を生む魔法ではありません。まず設計という土台が整って、はじめて力を発揮するものです。
逆に言えば、順番を間違えれば、どれだけ頑張ってもなかなか結果は出ません。
Webで失敗する会社の多くは、技術ではなく「順番」を間違えています。
だから私は、今回ご紹介した失敗を通して、制作の前に設計を見るようになりました。
遠回りに見えて、これが一番無駄が少ない。
もし今、うまくいかない感覚があるなら、やることを増やす前に、一度立ち止まってみてください。
足りないのは施策ではなく、設計かもしれません。








