【1からわかりやすく】Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いを解説
現代では、商品やサービスを多くの人に知ってもらうために、インターネットやデジタル技術を使った「マーケティング」が多く用いられています。
その際によくでてくる「Webマーケティング」と「デジタルマーケティング」という言葉。どちらも知ってはいるけれど、具体的な違いはよくわからない、という方も多いかもしれません。
今回は、そんな「Webマーケティング」と「デジタルマーケティング」という混同されやすい2つについて、両者の違いをわかりやすく解説します。
Webマーケティングとは
Webマーケティングは、インターネットを活用して商品やサービスを宣伝し、売上を伸ばすための活動です。インターネットを使ったマーケティングなので、パソコンやスマートフォンなどを利用する人にアプローチしやすいのが特徴です。
具体的には、次のような方法があります。
1. SEO(検索エンジン最適化)
SEOとは、Googleなどの検索エンジンで自分のWebサイトを上位に表示させるための工夫です。たとえば、ある人が「東京 おいしいカフェ」と検索したときに、あなたのお店のWebサイトが検索結果の1ページ目に出てくれば、多くの人に見てもらえます。
SEO対策には、次のような方法があります。
- キーワード選定
ユーザーが検索しそうな言葉を見つけ、それを記事やページに適切に使います。 - 良質なコンテンツの作成
検索した人にとって役立つ情報を提供することで、Googleに「このページは価値がある」と評価してもらいます。 - 内部リンクの最適化
Webサイト内のページ同士をつなぐリンクを適切に配置し、訪問者が必要な情報を見つけやすくします。
SEOは、無料でできる集客方法ですが、結果が出るまでに時間がかかるのがデメリットです。
2. リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの結果ページに表示される広告のことです。「広告」と書かれたマーク付きで、検索結果の一番上や下に表示されます。
たとえば、「ダイエット サプリ」と検索したときに、自社の商品をすぐに知ってもらいたい場合、リスティング広告を使えば上位に表示できます。クリックされると費用が発生する仕組みなので、予算に合わせて広告を出すことが可能です。
リスティング広告のメリットは、すぐに効果が出ることですが、クリックごとに費用がかかるため、継続的な運用にはコスト管理が必要です。
3. SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、X、Instagram、FacebookなどのSNSを活用して、商品やサービスを宣伝する方法です。最近では、TikTokやYouTubeもよく使われます。
たとえば、カフェを経営している場合、インスタグラムにおしゃれな店内やスイーツの写真を投稿することで、興味を持った人が「行ってみたい!」と思うようになります。さらに、ハッシュタグを工夫して使えば、より多くの人に見てもらえます。
- フォロワーを増やす
興味を持つ人にフォローしてもらい、定期的に情報を発信します。 - ユーザーとの交流
コメントに返信したり、「いいね」をつけたりすることで、ファンとの距離を縮めます。
SNSマーケティングは拡散力が高く、うまくいけば少ないコストで大きな効果が得られますが、継続的な投稿とファンとの交流が欠かせません。
4. コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ブログ記事や動画などを通じて役立つ情報を提供し、興味を持った人を集める方法です。
たとえば、「乾燥肌の改善方法」というブログ記事を作成し、その中で「このクリームを使うと効果があります」と紹介すると、読者は「これを使ってみよう」と思うかもしれません。
- ブログ記事の作成
商品に関連する悩みを持つ人に役立つ情報を提供します。 - 動画コンテンツ
YouTubeなどで使い方を説明する動画を投稿することで、視覚的にアピールできます。 - メールマガジンの配信
定期的に新しい情報や特典をメールで送ることで、関心を持つ人をリピーターにすることができます。
コンテンツマーケティングは、長期的に効果を発揮する手法ですが、質の高いコンテンツを作り続けることが求められます。
デジタルマーケティングとは?
ここまでWebマーケティングについて解説をしてきました。ここからはデジタルマーケティングについて解説をしていきます。
デジタルマーケティングは、インターネットに限らず、さまざまなデジタル技術を使って行う宣伝活動のことです。Webマーケティングを含むもっと広い範囲のマーケティングといえます。
具体的な方法は次のとおりです。
1. Webマーケティング
上記で解説したWebマーケティングは、デジタルマーケティングの一部です。インターネット上で行う宣伝活動すべてを指します。SEOやSNS広告、コンテンツマーケティングなど、すでに紹介した方法が含まれます。
2. メールマーケティング
メールを使ってお知らせを送る方法です。たとえば、新商品が発売されたときに既存のお客さんへメールを送って知らせたり、クーポンを配布したりします。
- メリット
すでに商品やサービスに興味を持っている人にアプローチできるため、購入につながりやすい。 - デメリット
メールの受信者が興味を持たない内容だと「迷惑メール」と思われる可能性があります。
3. モバイルマーケティング
スマートフォンを使ったマーケティング手法です。たとえば、アプリを通じて広告を表示したり、プッシュ通知を送ってお知らせしたりします。
例えば、飲食店のアプリをダウンロードした人に「本日限定20%オフ」と通知を送って来店を促す手法などが挙げられます。
4. デジタルサイネージ
デジタルサイネージは、駅やショッピングモールなどに設置された電子看板に広告を表示する方法です。動画やアニメーションを使った広告も流せるため、視覚的に訴求力が高いのが特徴です。
例えば、映画館のロビーに新作映画の予告編を流すことで、多くの人に興味を持ってもらう手法などが挙げられます。
5. IoTデバイスの活用
IoT(モノのインターネット)デバイスとは、インターネットにつながる家電などのことです。このようなデバイスを使って情報を提供するマーケティング手法です。
例えば、スマート冷蔵庫に「牛乳が少なくなっています。特売情報はこちら」と通知が届くようにすることで、購買を促すことができます。
デジタルマーケティングは、オンライン(インターネット上)だけでなくオフライン(インターネット以外)でも、デジタル技術を使ってお客さんとつながることを目的としています。
Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
上述したWebマーケティングとデジタルマーケティングの内容を踏まえて、両者の違いをまとめてみましょう。
1. 範囲の違い
- Webマーケティングは、インターネット上の活動に限定されます。
- デジタルマーケティングは、インターネットに限らず、デジタル技術を使ったすべての宣伝活動を指します。
2. 目的の違い
- Webマーケティングは、主にWebサイトへの訪問者を増やして商品やサービスの購入につなげることを目的としています。
- デジタルマーケティングは、インターネット以外のデジタルチャネルも活用して、お客さんとの関係を深め、ブランド全体の価値を高めることを目指します。
3. 使う手段の違い
- Webマーケティングでは、主にWebサイト、SNS、ブログ、リスティング広告などを使います。
- デジタルマーケティングは、これらに加えて、メール、モバイルアプリ、デジタルサイネージ、IoTデバイスなど、さらに幅広い手段を活用します。
比較項目 | Webマーケティング | デジタルマーケティング |
---|---|---|
範囲 | インターネット上の活動に限定 | インターネット以外のデジタル技術も含む |
目的 | Webサイトへの訪問者を増やし、商品の購入につなげる | 顧客との関係を深め、ブランド価値を高める |
使用する手段 | Webサイト、SNS、ブログ、リスティング広告 | Webマーケティングの手段に加え、メール、モバイルアプリ、デジタルサイネージ、IoTデバイスなど |
オンライン/オフライン | オンラインのみ | オンライン・オフラインの両方 |
メリット | インターネット上の幅広いユーザーにアプローチできる | オンライン・オフラインを組み合わせた多面的なアプローチが可能 |
デメリット | オンラインに依存するため、オフラインの顧客に直接アプローチできない | 幅広い手段を使うため、運用が複雑になりやすい |
具体的な活用事例
Webマーケティングのデジタルマーケティングは実際にどんな活用方法があるのか、それぞれの事例を紹介します。
Webマーケティング戦略の例 – 企業Aの新商品の発売で売上を伸ばした成功事例
企業Aは新しいスキンケア商品の発売を決定しました。この商品は、敏感肌向けに開発された保湿クリームで、「肌に優しい」という点を強くアピールしたいと考えていました。
しかし、競合他社も多く、すぐには注目を集められないと判断した企業Aは、Webマーケティングを活用して効果的に商品を知ってもらう戦略を立てました。
SEO対策でブログ記事を活用
まず企業Aは、自社のWebサイトに「敏感肌 保湿方法」や「敏感肌におすすめのスキンケア」というキーワードを含むブログ記事を作成しました。
このブログでは、肌トラブルに悩む人に向けて役立つ情報をわかりやすく紹介し、最後に「この保湿クリームを使えば、これらの悩みを解決できます」と自然な形で商品を提案しました。
その結果、「敏感肌 保湿」といった検索をしたユーザーが企業Aのブログに訪れ、記事を読んだ人の中から新商品を購入する人が徐々に増えていきました。
SNS広告で認知度をアップ
次に企業Aは、SNS広告を使ってさらに多くの人に新商品を知ってもらうことにしました。
特に、視覚的に訴求しやすいInstagramを選び、プロのカメラマンが撮影したおしゃれな写真を使って広告を出稿しました。
広告には「敏感肌でも安心して使える」「今なら初回限定20%オフ」といったメッセージを添え、興味を引くように工夫しました。
この広告は、敏感肌に悩む20代から30代の女性をターゲットにしたため、多くの人の目に留まりました。「試してみたい!」と思った人が広告をクリックし、商品ページに訪れて購入するケースが増えたのです。
成果と結果
これらの施策を通じて、企業Aは新商品の発売後、初月だけで予想の1.5倍の売上を達成しました。
特にブログからの自然検索流入が増えたことで、広告に頼りすぎない安定した集客を実現できた点が大きな成功要因でした。
さらに、Instagram広告で商品を知った人が友達にも勧めてくれたことで、口コミが広がり、2か月目以降も順調に売上を伸ばしています。
このように企業Aは、「SEO対策で長期的な集客基盤を作りつつ、SNS広告で一気に認知を拡大する」というWebマーケティング戦略を実行し、大きな成果を上げました。
Webマーケティングをうまく組み合わせることで、競合が多い中でも差別化し、成功をつかむことができたのです。
この事例からわかるように、Webマーケティングでは単一の施策に頼るのではなく、複数の手法を組み合わせて相乗効果を狙うことが大切です。また、ターゲットを明確にして、その人たちが求めている情報を提供することも成功のカギとなります。
デジタルマーケティング戦略 – 企業Bの店舗への来店者を増やした成功事例
企業Bは、地域密着型の店舗を運営しており、「もっと多くの人に来店してもらいたい」「一度来てくれたお客さんに何度も訪れてほしい」という課題を抱えていました。
この課題を解決するため、デジタルマーケティングを活用し、次の施策を行いました。
デジタルサイネージを使った店舗前のアピール
まず企業Bは、店舗前に電子看板(デジタルサイネージ)を設置しました。
この看板では、期間限定のキャンペーン情報を動画やアニメーションで流し、道行く人の目を引くように工夫しました。
たとえば、「今週限定、○○商品が20%オフ!」という告知を、カラフルな映像とともに表示しました。これにより、店舗の前を通る人が「お得なキャンペーンをやっている」と気づき、実際に店舗へ入るきっかけとなりました。
モバイルアプリを活用したリピーターの獲得
来店したお客さんには、店舗専用のモバイルアプリをダウンロードしてもらいました。
このアプリでは、次回以降に使えるクーポンを配布し、「また来たい」と思わせる工夫をしました。
さらに、アプリ内では店舗の新商品やキャンペーン情報をプッシュ通知でお知らせし、お客さんが定期的に店舗を思い出す仕組みを作りました。
結果として、1回限りの来店ではなく、リピーターを増やすことができました。
成果と結果
これらの施策によって、企業Bは目標としていた「来店者数の増加」と「リピーターの獲得」に成功しました。
特に、電子看板による視覚的なアピールと、アプリによるクーポン配布の組み合わせが効果を発揮し、初めて来店する人とリピートする人の両方を増やすことができました。
この事例は、デジタルマーケティングがオンラインだけでなく、オフラインの集客にも効果を発揮することを示しています。
デジタル技術を活用して店舗の集客を強化することは、今後のマーケティング戦略において重要な手段といえるでしょう。
まとめ
Webマーケティングはデジタルマーケティングの手法の1つです。自社の目的や使えるリソースに合わせて、どの方法を使うかを考えて選ぶことが大切です。
「流行っているから」という理由であまり考えずに手を出すと大半は失敗します。Webマーケティングも、デジタルマーケティングも、自社の課題と、その課題の解決のために必要な施策は何かを十分に検討した上で自社に合った施策を行っていきましょう。
それではまた!