新規事業のマーケティングは何から始める?施策より先に考える「売れる条件」とは

公開日: 2026年10月12日
新規事業のマーケティングは何から始める?売れる条件を見つける進め方を解説
新規事業を立ち上げると、
「広告を出した方がいいのか」
「SEOを始めるべきか」
「SNSを運用した方がいいのか」
など、まず集客方法を考える方も多いのではないでしょうか。
もちろん、広告やSEO、SNSなどもマーケティングの重要な手段です。
しかし、新規事業の場合は、既存事業と同じように考えるとうまくいかないことがあります。
なぜなら、新規事業では「誰が買うのか」「どんな理由で買うのか」「そもそも本当にお金を払ってでも解決したい課題なのか」といったこと自体が、まだ仮説であるケースが多いからです。
そのため、新規事業のマーケティングで最初に考えるべきなのは、SEOや広告などの手段ではありません。
誰の、どんな課題を解決するのかを明確にし、実際に市場へ出しながら「どのような条件なら買ってもらえるのか」を見つけていくことが重要です。
大きく整理すると、新規事業のマーケティングは、
顧客と課題を考える
↓
小さく市場に出す
↓
実際の顧客行動を見る
↓
仮説を修正する
という流れで進めていきます。

この記事では、新規事業のマーケティングをどのように考え、どんな順番で進めればよいのかを、実際のWeb集客支援で感じてきたことも交えながら解説します。
新規事業におけるマーケティングの役割とは
マーケティングというと、「商品・サービスを多くの人に知ってもらい、売るための活動」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ただ、新規事業では少し考え方を変える必要があります。
既存事業と新規事業では前提が違う
既存事業であれば、
- どんな顧客が買っているのか
- なぜ選ばれているのか
- どのような営業方法が有効なのか
- どのくらいの価格なら売れるのか
といった情報が、ある程度蓄積されています。
一方、新規事業ではこうした情報の多くがまだありません。
想定している顧客が、本当にその商品・サービスを必要としているかもわからない。
自社が考えている強みが、顧客にとって魅力的なのかもわからない。そもそも、その商品・サービスにお金を払う人がどのくらいいるのかもわからない。
つまり、新規事業では「どう売るか」を考える前に、何が売れるのか、誰に売れるのかを確かめる必要があります。
そのため、新規事業におけるマーケティングは、単に集客するための活動ではありません。
顧客と市場についての仮説を立て、実際の反応を見ながら、売れる条件を見つけていく活動でもあります。
マーケティング=広告やSEOではない
広告、SEO、SNSなどは、新規事業のマーケティングで使う手段の一つです。
しかし、その前に、
- 誰に届けるのか
- その人は何に困っているのか
- なぜ自社の商品・サービスを選ぶのか
- その課題はお金を払ってでも解決したいものなのか
を整理する必要があります。
この部分が曖昧なまま集客を始めても、広告やWebサイトだけを改善して成果につなげるのは難しくなります。
なお、SEO・Web広告・SNSなど、Web集客の各手法をどう選ぶべきかについては、別の記事で詳しく解説しています。
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最初に「誰のどんな課題を解決するのか」を深掘りする
新規事業のマーケティングで、私が最初に重要だと考えているのが、
「誰の、どんな課題を解決するのか」を明確にすることです。
単に「中小企業向け」「30代向け」といった属性を決めるだけでは十分ではありません。
その人が、
- 今、何に困っているのか
- どれくらい強く困っているのか
- 現在はどのような方法で対処しているのか
- その課題を解決するためにお金を払う可能性があるのか
まで考える必要があります。
「課題の広さ」と「課題の深さ」の2軸で考える
顧客の課題を考えるときは、私は「広さ」と「深さ」の2つの軸で整理すると分かりやすいと考えています。
横軸は、その課題を抱えている人がどれくらいいるのかという「広さ」。
縦軸は、その人がどれくらい強く困っているのかという「深さ」です。
例えば、多くの人が感じている悩みでも、
「できれば解決したい」
「あると便利」
という程度であれば、お金を払ってまで解決しようとする人は少ないかもしれません。
反対に、悩んでいる人の数自体はそれほど多くなくても、
「今すぐ何とかしたい」
「仕事や売上に大きな影響が出ている」
という切実な課題であれば、商品・サービスを購入してもらえる可能性は高くなります。
つまり、新規事業では、「市場の大きさ」と「課題の切実さ」を分けて見ることが重要です。
「どれくらいの人が困っているのか」と「どれくらい深く困っているのか」の両方を見る必要があります。

特に新規事業の初期段階では、広く浅い課題を狙うよりも、まずは「対象は狭くても、強く困っている人」を見つける方が、顧客を獲得しやすいケースがあります。
中小企業ほど「広く売る」より「狭く深く」を考える
特に中小企業の場合、マーケティングに使える予算や人員、時間は限られています。
大企業のように、多額の広告予算を使って一気に認知を広げることは簡単ではありません。
そのため、
「できるだけ多くの人に見てもらおう」
と考えるよりも、
「まず、この課題を強く抱えている人にしっかり届ける」
と絞った方が、結果として効率が良いケースが多いと考えています。
最初から市場全体を取りに行くのではなく、まずは「最も必要としてくれそうな顧客」を見つける。
新規事業では、この考え方が特に重要です。
「ニーズがある」だけでは新規事業は売れない
新規事業を考える際、「このテーマは需要がありそうだ」「最近よく話題になっている」という理由だけで商品・サービスを作ることがあります。
しかし、市場に課題が存在することと、その商品・サービスを今すぐ購入したい人がいることは別です。
ここは、実際に広告運用をしていても感じる部分です。
課題を感じていても、まだ購入段階ではないことがある
以前、社会的に関心が高まっていたテーマについて、企業向けの研修サービスを広告で訴求したことがあります。
テーマ自体への関心や企業側の課題意識は高まっていました。
ところが、研修サービスのLPを作って広告を出しても、問い合わせはほとんど得られませんでした。
もちろん、広告やLPにも改善すべき点はあったと思います。
一方で振り返ると、当時のユーザーは、
- まずその問題について知りたい
- どんな対応が必要なのか調べたい
- 他社ではどうしているのか知りたい
といった情報収集の段階だった可能性もあります。
こちらは「研修を導入しませんか」と提案していましたが、顧客側はまだそこまで進んでいなかったのかもしれません。
この経験からも、検索需要や社会的な関心があるというだけで「この商品・サービスは売れる」と判断しないことが重要だと感じています。
新規事業を考える際には、「その課題は存在するか」だけではなく、「顧客は今どの段階にいるのか」まで見ることが重要です。
課題を認識している人と、具体的な商品・サービスを比較している人では、必要な情報もアプローチ方法も異なります。
新規事業は小さく市場に出して確かめる
誰のどんな課題を解決するのかを考えることは大切です。
ただし、考え続ければ正解がわかるわけではありません。
新規事業では、最初に設定したターゲットや提供価値も、あくまで仮説です。
そのため、ある程度まで考えたら、実際に市場へ出して反応を見る必要があります。
最初に決めた顧客像を「正解」と思わない
「この商品・サービスは、この業界のこの担当者に売れるはず」
と考えていたとしても、実際に問い合わせてくる人が違うことはあります。
また、こちらが強みだと考えていた部分ではなく、思いもしなかった理由で選ばれることもあります。
重要なのは、最初に考えたターゲットや訴求を守り続けることではありません。
仮説を立てる
↓
市場に出す
↓
反応を見る
↓
仮説を修正する
という流れを繰り返すことです。
「いいですね」より実際の行動を見る
新しいサービスについて人に意見を聞くと、
「面白いですね」
「便利そうですね」
「需要がありそうですね」
と言ってもらえることがあります。
こうした意見はもちろん参考にはなります。
ただ、それだけで「売れる」と判断するのは危険です。
新規事業でより重要なのは、実際の顧客行動です。
例えば、
- 広告をクリックした
- 資料をダウンロードした
- 問い合わせた
- 商談を希望した
- 見積もりを依頼した
- 実際に購入した
といった行動です。
当然ながら、「面白いですね」と言ってくれた人より、実際にお金を払って購入した人の方が、事業としては強いシグナルになります。
新規事業では、顧客の言葉だけでなく、実際にどんな行動を取ったのかを見ることが大切です。
反応が悪いときは、広告やLPだけを直さない
Web集客をしていて問い合わせが来ないと、
「広告文を変えよう」
「LPのデザインを変えよう」
「CTAを目立たせよう」
と、広告やLPを改善していくことが一般的です。
もちろん、こうした改善も必要です。
ただ、新規事業の場合は、それだけでは解決しないこともあります。
小手先の改善だけでは解決できないことがある
これまで広告運用をしてきた中でも、広告やLPを何度修正しても、なかなか成果につながらないケースがありました。
そのような場合、さらに調べていくと、
- 競合と同じような訴求になっている
- なぜその会社を選ぶのかが伝わらない
- ターゲットそのものが曖昧
- 顧客がまだ購入段階にいない
といった、広告運用より上流の問題が見えてくることがあります。
競合各社が同じような商品・サービスを、同じような言葉で広告に出していれば、顧客から見れば違いがわかりません。
その結果、広告予算が多い企業や価格の安い企業が有利になりやすくなります。
これは、広告のクリック率だけを改善しても解決できない問題です。
以前、LP制作と広告運用に合計約60万円を投じながら、ほとんど問い合わせにつながらなかった経験についても別の記事で詳しく書いています。
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反応が悪ければ、上流の仮説まで戻る
問い合わせが来ない場合、
「広告が悪い」
とすぐに結論づけないことが重要です。
例えば、次のように一段ずつ上流へ戻って考えます。
- 広告の見せ方が悪いのか
- LPで魅力が伝わっていないのか
- 競合との違いが弱いのか
- ターゲットが違うのか
- 顧客の購入タイミングと合っていないのか
- そもそも商品・サービス自体が十分に求められていないのか

特に新規事業では、商品・サービスそのものや顧客像も仮説です。
そのため、広告やLPを改善し続けるだけでなく、必要であれば商品・サービスやターゲットまで戻って見直すことが重要です。
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Webサイト・SEO・広告・アクセス解析を横断して確認し、
成果を妨げている課題と改善の優先順位を整理します。
最初の顧客は「売上」だけでなくマーケティングの材料になる
新規事業で最初の顧客が獲得できると、当然ながら売上が生まれます。
ただ、それ以上に重要なのが、
「なぜその顧客は買ってくれたのか」を知ることです。
最初の顧客には、今後のマーケティングを改善するための情報がたくさんあります。
最初の顧客に聞いておきたいこと
可能であれば、次のようなことを確認してみてください。
- 購入前に何に困っていたのか
- どんな状態になりたいと思っていたのか
- なぜ問い合わせようと思ったのか
- 他にどんな商品・サービスと比較したのか
- 最終的に何が決め手になったのか
- 購入前にどんな不安があったのか
これらを知ることで、
「こちらが想定していた理由と、実際に買われた理由が違った」
と気づくこともあります。
「なぜ買われたのか」を次の集客に使う
最初の顧客から得た情報は、そのまま次のマーケティングに使えます。
例えば、
- 顧客が実際に使っていた言葉をLPに反映する
- よく比較される競合との違いをWebサイトに追加する
- 購入前に感じていた不安をFAQに掲載する
- 問い合わせのきっかけになった課題を広告文に使う
といった形です。
このように、実際の顧客から得た情報を使うことで、マーケティングは少しずつ精度が高まっていきます。
最初から完璧なマーケティング戦略を作る必要はありません。
顧客との接点から学びながら、マーケティングそのものを作っていく。
これも新規事業では重要な考え方です。
まとめ|新規事業のマーケティングは「売れる条件」を見つけ続けること
新規事業では、最初から正解がわかっているケースは多くありません。
だからこそ、
- 誰のどんな課題を解決するのかを考える
- その課題がどれくらい強いのかを確認する
- 小さく市場へ出してみる
- 実際の顧客行動を見る
- 反応が悪ければ上流の仮説まで戻る
- 最初の顧客から「なぜ買われたのか」を学ぶ
- 得られた情報を商品・サービスや集客に反映する
という流れを繰り返していくことが重要です。
広告、SEO、SNS、Webサイトなどは、その過程で使う手段の一つです。
新規事業のマーケティングで重要なのは、最初から正しい施策を選び当てることではありません。
誰のどんな課題を解決するのかという仮説を立て、市場に出し、実際の顧客の反応から修正していく。
その積み重ねによって、自社の商品・サービスが「誰に、どんな理由で、どのように売れるのか」という条件を少しずつ見つけていくことが、新規事業のマーケティングでは重要だと考えています。
\ Web集客の実行・改善を進めたい企業様へ /
Web集客を、施策の実行から改善まで進めたい方へ
SEO・Web広告・サイト改善など、必要な施策を実行し、
数字を確認しながら継続的に改善します。






