BtoBビジネスにLPは必要?作るべきケースと判断基準を実例で解説

公開日: 2026年10月23日
BtoB企業が新商品やサービスを展開する際、既存のホームページとは別にLP(ランディングページ)を作る必要はあるのでしょうか。
制作には費用もかかるため、判断に迷うところです。
私自身、BtoB企業のLP制作と広告運用を担当し、当初は問い合わせが得られなかったものの、改善を重ねて成果につながった経験が何度もあります。
一方で、LPや広告を何度も改善しても、期待した成果を得られなかった案件もありました。
では、どのような場合にLPを作るべきなのでしょうか。
この記事では、実際の支援経験をもとに、BtoBビジネスにおけるLPの必要性や、制作前に確認しておきたい判断基準を解説します。
BtoB企業にLPは必要なのか?
結論から言えば、BtoB企業だからといって専用LPが必須になるわけではありません。
誰に何を伝え、資料請求や問い合わせなど、どの行動につなげたいのかによって判断が変わります。
会社の事業や実績を幅広く知ってもらうならコーポレートサイト、特定のサービスを継続的に詳しく紹介するならサービスサイト、新商品の広告から資料請求へつなげるなら専用LP、といった使い分けです。
LPとコーポレートサイト・サービスサイトの違い
| 種類 | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| コーポレートサイト | 企業全体の情報発信・信頼形成 | 会社概要、事業内容、採用、実績などを幅広く掲載 |
| サービスサイト | 特定事業・サービスの情報提供 | 機能、料金、導入事例、よくある質問などを複数ページで説明 |
| LP | 特定の顧客行動への誘導 | 商品・訴求を絞り、資料請求や問い合わせまでを一つの流れで案内 |
※この記事でいうLPは、広告などからの遷移先として使う、特定の目的に絞った1ページ型のランディングページです。

BtoBでは、担当者が情報を集めた後、上司への説明や他社比較を経て発注が決まることもあります。
そのため、LPには導入メリットだけでなく、社内で検討するための材料も必要です。
料金の考え方、利用場面、導入事例、運用負担などが代表例です。
すべてをLPに詰め込む必要はありません。詳しい会社情報や導入事例へリンクする方法もあります。
LPは既存サイトの代わりではなく、特定の商品を必要とする顧客との接点を作るための手段です。
BtoB企業がLPを作るべき3つのケース
新たにLPを制作する価値があるのは、主に次のような状況です。
1. 新商品・新サービスを展開するとき
新商品や新サービスを展開する際、専用LPを設けるメリットは、伝える相手と内容を一つに絞れることです。
複数の事業や商品を扱うコーポレートサイトは、会社全体の情報を伝える役割があります。
一方、専用LPでは新商品に焦点を当て、顧客の課題、導入メリット、資料請求までを一つの流れで案内できます。
特に広告を使うなら、広告で約束した内容と遷移先の内容を一致させることが重要です。
ただし、新商品は顧客ニーズがまだ定まっていないこともあります。
制作前に顧客ヒアリングなどで仮説を立て、公開後の反応から見直せる状態にしておきます。
2. Web広告から特定の商品・サービスへ集客するとき
Google広告などで特定の商品を訴求するなら、その商品についてすぐに理解できる遷移先が必要です。
例えば、業務効率化ツールを探している人が広告をクリックしたのに、遷移先が多くの事業を並べた会社のトップページでは、知りたい情報を探し直さなければなりません。
広告の内容とつながった専用LPなら、利用場面や導入メリットを最初から伝えられます。
ただし、既存のサービスページがその役割を果たせるなら、新しいLPを制作する必要はありません。
3. 特定の業種やターゲットに絞って訴求するとき
同じ商品でも、経営者が気にする費用対効果と、現場責任者が気にする日々の作業負担では、響く説明が違います。
業種が異なれば、困りごとや利用場面も変わります。
特定の顧客層に向けたLPなら、その人たちが抱える課題や導入場面を中心に構成できます。
とはいえ、最初から業種別に何本も作る必要はありません。
優先すべき顧客層で訴求を検証し、必要に応じて展開する方が、制作と運用の負担を抑えられます。
逆に、BtoB企業がLPを作らなくてよいケース
LPの新規制作よりも、別の対応を優先した方がよい状況もあります。
1. 既存のサービスページで十分に対応できる
サービスの特徴、料金、実績、問い合わせへの導線が既存ページで整理されているなら、まずはそのページを広告の遷移先にできないか確認します。
特にSEOからの流入を育てたい場合、既存のサービスページを改善する方が合理的なこともあります。
新しいLPを作ると情報や更新作業が分散するため、新設によって何を改善できるのかを明確にしてから判断します。
2. ターゲットや顧客課題の仮説が整理できていない
誰が何に困って商品を探すのか、最低限の仮説もない状態で本格的なLPを作ると、商品の機能を並べただけのページになりやすくなります。
一方、新商品ではLPを使って訴求を検証すること自体にも意味があります。
顧客像を完全に確定させる必要はありませんが、仮説段階なら、まずは小規模なページと少額の検証から始める方が投資判断をしやすくなります。
3. 公開後の集客方法が決まっていない
LPを制作しただけでアクセスが増えるわけではありません。
検索広告、既存顧客への案内、営業活動など、どこから訪問者を集めるのかを考える必要があります。
さらに、誰が成果を確認し、どの段階で改善するかまで決めておくことが大切です。
集客計画がないなら、LP制作より先にその設計に時間を使うべきでしょう。

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実例:東証プライム上場企業の新商品LP制作・広告運用で得た知見
ここからは、私が実際に担当した案件を紹介します。企業名と商品名、広告予算・問い合わせ件数などの個別数値は掲載していません。
新商品の集客に向けて専用LPを制作
ある東証プライム上場企業から、新商品のLP制作とGoogle広告の出稿・運用をご依頼いただきました。
複数の事業・製品を展開している企業で、既存のコーポレートサイトもありました。
今回の目的は、会社全体を紹介することではなく、新商品に関心を持つ人へ、その商品の用途や導入メリットを伝えて問い合わせにつなげることでした。そのため、専用LPを設けました。
この商品では、離れた場所同士の打ち合わせや、情報共有を効率化できることが大きな訴求点でした。
制作時から会議準備の負担軽減などを意識していましたが、その価値を最も必要とするのは誰なのかという点は、まだ十分に絞り込めていませんでした。
当初は幅広いターゲットと広告手法を検証
主な対象となる業種は想定していたものの、当初は関連する業種や課題にも対象を広げていました。
検索広告に加え、デマンドジェネレーション広告を利用し、動画やバナーでの訴求も試しました。
しかし、配信を始めても、最初から問い合わせが発生したわけではありません。
広告が表示・クリックされることと、実際に資料請求や問い合わせにつながることは別でした。
そこで、検索語句、広告のクリック率、LPの閲覧・離脱状況を確認し、どこに問題があるかを一つずつ検証していきました。
ターゲットを絞り、広告とLPを見直した
検証を重ねる中で、配信対象を主要な業種へ絞り込み、検索キーワードや広告の訴求を調整しました。
LPも、最初に見える部分のメッセージ、掲載する情報、資料請求までの導線などを繰り返し変更しました。
一度の修正で結果が変わったわけではありません。
広告とLPの両方を継続して見直した結果、当初は獲得できなかった問い合わせや資料請求を、継続的に獲得できるようになりました。
取り組みの変化を整理すると、次のようになります。
| 検証した点 | 運用初期 | 改善を進めた後 |
|---|---|---|
| 集客対象 | 主な対象業種に加え、関連する領域も幅広く想定 | 対象とする業種・検索意図を絞り込む |
| 広告手法 | 検索広告のほか、動画・バナーなども検証 | 反応を確認しながら配信対象やキーワードを調整 |
| 訴求 | 会議・情報共有の効率化を広い対象に伝える | 対象業種の具体的な利用場面に合わせて表現を調整 |
| LP | 当初の仮説をもとに構成 | 閲覧状況に応じてファーストビューや導線を改善 |
| 成果の見方 | 広告上の反応を確認 | 資料請求・問い合わせの実数を重視 |
※実際の取り組みを整理したもので、厳密な変更順序や、一つの施策だけで成果が変わったことを示すものではありません。

特に広告管理画面のコンバージョンは、資料請求以外の小さな行動を含む場合があります。
そのため、見かけのCV数だけでなく、実際に問い合わせが来ているかを分けて確認しました。
振り返って感じた、制作前の顧客理解の重要性
この案件で、最初にもっと時間をかけるべきだったと感じているのは、お客様へのヒアリングです。
新商品だったため、提供するお客様側も「どんな顧客が、どの場面で最も必要とするのか」を模索していました。
私も、商品の機能やメリットの伝え方に意識が向き、実際の利用場面や困りごとを十分に深掘りできていなかったと思います。
今なら、制作前に、どの部署が利用するのか、これまでの方法で何に困っているのか、導入の決め手は何かをもっと具体的に聞きます。
最初から顧客像を完全に見通すことはできなくても、仮説の精度を高めてからLPを作る。そして公開後の結果で、その仮説を見直す。
これが実際の運用から得た最も大きな学びです。
LPを何度改善しても、問い合わせが増えなかったケースもある
一方、LPや広告を改善しても、期待した成果を得られなかった案件もあります。
以前、法人向け研修サービスのLPを制作し、Google広告を運用しました。
検索キーワードやターゲット、LPの訴求を何度も見直しましたが、問い合わせはほとんど増えませんでした。
ヒートマップではページの下部まで閲覧されている様子も確認できました。
ここから分かったのは、LPを最後まで読んでいる人が、必ずしも発注を検討しているとは限らないということです。
情報収集段階なのか、社内で導入方針を検討しているのか、具体的な発注先を比較しているのかによって、必要な情報も次の行動も異なります。
原因を一つに特定できたわけではありません。
だからこそ、LPの表現や配置だけでなく、需要、サービスの訴求、流入ユーザーの検討段階まで確認する必要があると感じました。詳しい経緯は別記事で紹介しています。
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BtoBのLPを制作する前に確認すべき5つのポイント
2つの経験を踏まえて、制作前には次の5点を確認したいと考えています。

1. 誰のどのような課題を解決する商品なのか
商品の特徴を並べる前に、具体的な顧客の利用場面を整理します。特に確認したいのは、次の点です。
- どのような業種・規模・担当部署が対象か
- どんな場面で困り、今はどう対処しているか
- 導入を判断する人と、実際に使う人は同じか
- 他の手段ではなく、その商品を選ぶ理由は何か
すでに商談や顧客の実績があれば、営業担当者が聞いている相談内容や、導入を決めた理由を確認するのが近道です。
2. 想定顧客と接点を持つ方法はあるのか
LPを作る前に、検索や広告などの集客経路を考えます。
例えば検索広告なら関連する検索需要と競合状況を確認します。
まだ商品名が知られていない新サービスでは、商品名ではなく顧客の課題を表すキーワードから接点を作る方法もあります。
検索需要が少ないなら、既存顧客への案内や営業活動と組み合わせる方が適しているかもしれません。
3. 既存のWebサイトでは対応できないのか
新規制作の前に、既存のサービスページが広告の遷移先として使えるかを確認します。
伝えたい内容や問い合わせ導線を改善するだけで足りるなら、別ページを増やす必要はありません。
既存サイトで特定顧客への訴求が難しい、あるいは新商品を独立した施策として検証したい場合には、専用LPが選択肢になります。
4. 何を成果とするのか
BtoBのLPでは、資料請求、デモ申込、見積依頼、問い合わせなど、複数の成果地点があります。
広告管理画面ではボタンのクリックなどをコンバージョンとして計測することもありますが、それと実際の問い合わせは区別する必要があります。
さらに、資料請求が増えても商談にならなければ、事業としての成果は限定的です。
最終的に増やしたいのは問い合わせ数なのか、商談数なのか、受注なのかを明確にし、途中の指標と分けて確認します。
5. 公開後に改善できる体制はあるのか
新商品ほど、当初のターゲットや訴求が外れることがあります。誰が数字を見て、どこまでLPや広告を変更できるのか、検証に使う期間と予算を決めておくことが大切です。
LPの制作方法は、現状に応じて選び分けられます。
| 現在の状況 | まず検討したい方法 |
|---|---|
| 既存ページで商品や導入メリットを説明できる | 既存サービスページを改善する |
| 顧客像・訴求がまだ仮説段階 | 小規模なLPや既存ページで検証する |
| 対象顧客と集客計画があり、専用の訴求が必要 | 専用LPを制作して運用する |
※一律の正解ではありません。制作費だけでなく、集客と改善にかかる費用も含めて判断します。
BtoBのLPは制作後の検証・改善まで考えることが重要
LPを公開しても問い合わせが増えない場合、すぐにデザインを作り直すのではなく、まずどの段階で止まっているかを確認します。
| 状況 | まず確認したいこと |
|---|---|
| 広告が十分に表示されない | 検索需要、キーワード、予算、配信設定 |
| 広告は表示されるがクリックされない | 検索意図と広告文のずれ、対象顧客 |
| LPにアクセスされてもすぐ離脱する | 広告との整合性、ファーストビュー、表示速度 |
| LPは閲覧されるが問い合わせがない | 訴求・比較材料・CTA・フォーム、検討段階 |
| 問い合わせはあるが商談につながらない | 問い合わせ内容、対象顧客との適合性、営業対応 |
例えばクリック数が少ない段階では、LPの細部を直しても効果を判断しにくくなります。
逆に、十分にアクセスがあるのに問い合わせがないなら、流入元とLPの内容が合っているか、そもそも問い合わせる理由があるかを確認します。
私自身、広告とLPを何度も変更してきましたが、重要なのは改善回数ではなく、何が原因と考えて変更し、結果をどう評価するかです。
成果が見込めないと判断した場合は、施策をやめたり、集客方法を変えたりする選択も必要です。
まとめ|BtoBにLPが必要かどうかは集客目的から判断する
BtoB企業にとってLPは、新商品の展開や広告集客、特定業種への訴求に役立つ手段です。
ただし、既存のサービスページで目的を達成できるなら、新しく作る必要はありません。
実際の支援では、LPと広告を改善して問い合わせ獲得につながった経験も、改善を重ねても成果を得られなかった経験もあります。
そこから感じたのは、LPを作るかどうかより先に、誰のどんな課題を解決し、どう顧客獲得につなげるかを考えることが大切だということです。
制作を検討する際は、既存サイトと集客状況を整理し、必要な施策を選んでください。
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Webサイト・SEO・広告・アクセス解析を横断して確認し、
成果を妨げている課題と改善の優先順位を整理します。
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数字を確認しながら継続的に改善します。






